大家さん
繁忙期になんとか入居者を獲得して空室を埋めてしまいたい
3月は入居者獲得の最後の追い込みで、なんとか空室を埋めてしまいたいとお考えの大家さんも多いのではないでしょうか。繁忙期に空室が埋まらなかった場合、その後の空室対策をどうするかも悩みどころです。
空室が埋まらなかった場合の家賃損失はかなり大きいもの。今からでも対策を打っていきたいですよね。
そこで、弊社の代表倉川に「繁忙期に満室にするためにやるべき空室対策」と「繁忙期前や閑散期にやっておきたい空室対策」を聞いてきました。
繁忙期中にできる空室対策を知りたい、長期的に効果のある空室対策を知りたいという方はぜひご覧ください。
もくじ
賃貸物件は繁忙期と閑散期では問い合せの数が倍以上違う
繁忙期がいつなのか、閑散期と比べて問い合せの数がどれだけ違うかを知っておくことで、繁忙期の重要性の理解と繁忙期に向けた準備がスムーズにできます。
繁忙期は2月〜3月だが、2021年は少し変化が
賃貸物件の入居者さんが入れ替わる繁忙期は2月〜3月です。もっと厳密にいうと、現場感覚では2月下旬〜3月末までが繁忙期だと感じています。
ただ、4月に入ると一気に暇になるかというと、そうではありません。4月の人事異動などもあり、GWくらいまではそれなりにお問い合わせの多い状況が続きます。
今年に関していえば、これがそのまま当てはまるのかは不明です。新型コロナウイルスの影響で大学生がほとんどキャンパスに行っていないという話を聞いています。
キャンパスに行ける状況になってから入居先を探すケースもあると思いますので、大学生の入居するような物件では、繁忙期がズレる、問い合わせがダラダラ続く可能性もあります。
繁忙期と閑散期の問い合わせ数の違い
繁忙期以外でも問い合わせが増えるのが9月頃です。企業の人事異動に伴う転勤で問い合わせが少し増えます。
それぞれの期間の問い合わせ数の違いを数字で表すと、閑散期は1、9月は2、繁忙期は5です。繁忙期は閑散期の5倍くらいは問い合わせが入ります。9月は問い合せが増えるといっても、繁忙期の半分もありません。
そのため、繁忙期にできるだけ空室を埋めて満室にすることが重要になります。
繁忙期に入居を決める3つの空室対策
繁忙期に入居を決めるためにできることは3つです。
- スピード感|早く募集をかける
- 退去のコントロール|退去の確認は事前に
- サービス精神|仲介会社への対応
それぞれ詳しく説明します。
【繁忙期の空室対策1】スピード感|早く募集をかける
まず、できるだけ早く募集をかけることです。
繁忙期では1日に何件もお問い合わせがあります。そのため、募集が1日遅れるだけでお問い合わせをいくつも逃すことになります。お問い合わせがあってもすべてが内見につながるわけではなく、内見に来ていただいても契約になるかはわかりません。
募集をかけるためにも、原状回復工事もできるだけ早く行うことが重要です。原状回復をしていなくても内見には来てもらえますが、内見時に与える印象が悪くなります。
部屋探しをしている方も仲介会社も忙しいので、募集や原状回復工事、問い合わせへの対応など、スピード感を持って行うことが重要です。
【繁忙期の空室対策2】退去のコントロール|退去の確認は事前に
スピード感を支えるのが事前の準備です。繁忙期に退去があるかどうかを事前に確認しておくことが、空室を埋められるかどうかを左右します。
退去が事前にわかっていれば、それに合わせて募集を出しておくことができます。また、繁忙期には原状回復工事の会社も依頼が多く、対応が遅くなる可能性も。事前に退去日を確定させることで、原状回復工事の日程を調整することが可能です。
弊社では、繁忙期かどうかにかかわらず、更新の2ヶ月前には更新するかどうかを確認しています。退去の予定を把握しておくだけで次の募集の準備がスムーズにでき、空室期間を最小に抑えることができます。
【繁忙期の空室対策3】サービス精神|仲介会社への対応
あまり意識されることがないけれど重要なのが、仲介会社さんへのサービス精神です。具体的には、仲介会社に対して接客をする、丁寧な対応をすることです。
仲介会社からの問い合わせがあると、機械的に対応してしまうことも多いのではないかと思います。しかし、入居者さんを紹介してくれるのは仲介会社です。管理会社や大家さんにとっては、仲介会社もお客さんだと考えています。
特に繁忙期には連日のように同じ仲介会社、同じ担当者から問い合わせがあることも珍しくありません。そのとき、対応が悪い、対応が冷たいと感じさせてしまうと、あそこの物件はあまり紹介したくないと思われてしまうことがあります。仲介会社としても他に客付けしたい物件があれば、そのような物件は勧めたくありません。
例えば弊社では、問い合わせがあったときに機械的な対応にならないよう、ワントーン声を上げて対応したり、夜遅くに大変ですね、と一言添えたりしています。
倉川
「たったそれだけ?」と思われるかもしれませんが、仲介会社さんにまた電話してもいいと思ってもらえることが大事です
繁忙期は問い合わせが増えて大家さんや管理会社は忙しくなりますが、仲介会社も同様に忙しい時期です。忙しいときほど丁寧に仕事をする気持ちが、あとで大きな違いとして現れます。広告料をつけるのも有効ですが、まずはそのような関係づくりができているかを見直してみてください。
閑散期や繁忙期前にやっておきたい空室対策
繁忙期以外で問い合わせや内見がない状態であれば、物件の見直しは必須です。家賃の値下げや仲介会社への広告料など、空室対策はいろいろ考えられます。さまざまな空室対策がある中で、一番おすすめしたいのが物件価値を上げる設備投資です。
物件価値を上げること、住み心地をよくすることが、入居者の獲得につながるのはもちろん、長期入居につながり、安定した賃貸経営を実現することができます。管理会社としては大家さんの出費につながることは提案しにくい面もありますが、空室期間をなくして収支を良くする提案は必要だと考えています。
問い合わせ多数!弊社の管理物件の事例
倉川
弊社の管理物件で、床の状態を見直して床の貼替えをした事例を紹介します。
物件は新宿区内の1Rアパート。築20年の物件です。入居者が退去したタイミングで大家さんに提案を行い、原状回復工事と同時に床の貼替えを行いました。
物件価値を上げる投資として床の貼替えを選んだ理由は、以下の3つです。
- 短期間でできる
- コストが安い
- 部屋の印象を変えられる
床の貼替えというと大掛かりに聞こえますが、工事は1日で終わり、費用は5万円程度でした。床は部屋の中でも大きな面積を占めているため、印象もガラッと変わりました。
貼替えの素材に選んだのはウッドタイルです。ウッドタイルは、クッションフロアとフローリングの中間のようなものです。費用はフローリングの半分程度に抑えられ、素人が見ればフローリングに見えます。さらに、切り貼りができるので、メンテナンスコストも抑えることができます。
また、普通であれば元の床と同じ色にするのですが、弊社からの提案で白い床に変更しました。白い床のメリットは、以下の2つです。
- 部屋が明るくなり広く見える
- ほこりが目立たない
この工事後、すでに問い合せが複数入っており、繁忙期中に満室になると予想しています。
低コストでお部屋のイメージを変えて空室対策に成功した事例はコチラから
ホームステージング?敷金礼金0?よくある空室対策Q&A
最近よく耳にする空室対策は本当に効果があるのか、どんなメリットとデメリットがあるのか、弊社代表の倉川に聞いてみました。
賃貸物件でもホームステージング(モデルルーム)は効果があると聞きます。費用もそれなりにかかるし、費用対効果的にはどうなのでしょうか?
やらないよりはやった方が効果があるのは確かだと思います。日本ホームステージング協会の調査でも、賃貸物件にホームステージングを取り入れて、問い合せが大幅に増えた、成約までの時間が大幅に短くなった、という回答が3割〜4割です(※ホームステージング白書2020)。
ただ、私個人の意見としては、そこまで優先度の高いものではないと考えています。なぜなら、ホームステージングには、家具の出し入れの手間や費用対効果というデメリットがあるからです。
もし家具を購入した場合、空室が埋まるたびに家具の移動が必要です。空室がなくなった場合には家具を処分するのか、保管するのか、どちらにしろ費用がかかります。ホームステージング用に家具のレンタルもされていますが、一人暮らし用でも費用が10万円ほど。この費用は空室が出るたびに必要になります。
倉川
これだけの費用をかけるなら、物件価値を上げるリフォームに使うほうが入居者さんにとってプラスであり、長期入居も望めるのではないでしょうか
先ほど紹介した床の貼替えであれば、半額ほどで施工できます。他にも設備の追加や入れ替えなど、できることはいろいろあります。
もしホームステージングをやるなら、家具の参考レイアウトを作ってあげたり、3Dのホームステージングを取り入れたりすると、手間なく効果も見込めると思います。
例えば、カラーアンドデコのバーチャルステージングであれば、プロのインテリアデザイナーが選んでくれた家具を3DCGで配置でき、物件情報に掲載可能なようです。価格も写真1枚5980円からということですので、かなり価格を抑えることができます。
敷金0礼金0のいわゆるゼロゼロ物件にすると入居者が集まりやすいのでしょうか?
敷金と礼金が0円になることで、入居者さんの初期費用を下げることはできます。そのため、問い合せは増えると思います。
倉川
ただ、オーナーさんにはあまりおすすめしていません
ゼロゼロ物件は、大家さんにとって2つのリスクがあります。
まず、質の悪い入居者が集まりやすいことです。物件の良し悪しよりも初期費用をなんとか抑えたいという入居希望者は、お金に困っている可能性が高いです。そのため、家賃滞納や入居者トラブル発生のリスクが高くなります。
また、敷金を預かっていないことで、退去時のトラブル発生リスクがあります。敷金を預かる理由は、退去時のクリーニングや部屋の修理代です。敷金を預かっていないと、退去時に費用を請求することでトラブルの原因になります。最悪の場合は、連絡がつかなくなり回収できない可能性もあります。
お金がかからないことからきっちりと。費用対効果の高い空室対策を
繁忙期に入居者を獲得して空室を埋めたいというのは、すべての大家さんの願いだと思います。空室対策はいろいろありますが、まずはお金をかけずにできることをしっかりとやり、それから費用対効果の高いものを選択していくことが重要です。
今回ご紹介した空室対策を管理会社と話し合う、または来年の繁忙期に備えて少しずつ準備をしてみてください。
「管理会社が何もしてくれない」「空室で困っている」などの困りごとがあれば、当社までお気軽にご連絡ください。担当者から追ってご連絡させていただきます。
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こんにちは!大家さんの悩みを解決する管理会社、LivingTokyoの澤田おさむです。