大家さん
騒音トラブルが発生したけどなかなか解決しない、管理会社に頑張って対応して欲しいけどどうすればいいのかわからない
そうお困りの大家さんもいらっしゃるのではないでしょうか。騒音トラブルは入居者トラブルの中でも特に難しい問題です。
そこで、不動産業界歴20年以上の当社代表・倉川がこれまでの経験から、騒音トラブルの対応で大事な3つのポイントをご紹介します。
トラブルによる退去者を無くしたいという大家さんは、ぜひ参考にしてください。
騒音によるご近所トラブルに悩んでいる入居者の方は下の記事を参考に。
もくじ
賃貸アパート・マンションの騒音トラブル対応で管理会社が守るべき3つのポイント
騒音トラブルは入居者トラブルの中でもかなり難しい問題です。音の聞こえ方には個人差があり、客観的には問題にならないような音でも、入居者さんによっては騒音と捉えられることがあります。
そのため、トラブルを大きくしないように慎重な対応が必要です。
騒音トラブルを解決するために大切なことは3つ。
- 騒音を訴えてこられた方と騒音元の方の話を平等に聞くこと
- 事実確認を行うこと
- 履歴を残すこと
騒音トラブル対応のポイント1|先入観を持たずに話を聞く
騒音のクレームが入った場合、まずは話をしっかりと聞いてあげることが大切になります。特に騒音元と思われる方への対応には注意が必要です。なぜなら、クレームがあった段階では本当に騒音が出ているのかがわかりません。
さらに、注意をすることや騒音を出していると決めつけた対応をすることで、相手の反応が強硬なものになる可能性も十分にあり得ます。場合によっては、問題を大きくすることも。先入観を持たずにフラットな状態で話を聞きましょう。
また、こういうトラブルが起こった場合、注意喚起のための張り紙をするケースもあると思います。ただ、張り紙はすべての人が見てくれるとは限らないため、メールなどで簡単に連絡を取れるようにしておくことがベストです。
弊社の場合、原則的には当事者同士の解決をお願いしているのですが、弊社からも騒音元と思われる方に連絡を入れるようにしています。
具体的には、電話をかけて「近隣の方からこういう連絡があったのですが、心当たりはありますか?」と聞くようにしています。騒音を出しているという決めつけはせず、下から優しく聞くというスタンスです。
すると相手方も物腰が柔らかくなり、ほとんどの場合、心当たりがあるから今後気をつけますと言われ、大きな問題になることなく解決します。もし心当たりがないと言われれば「他に気になる人はいますか?」と聞くようにして、本当の音の出どころを探すようにしています。
騒音トラブル対応のポイント2|事実確認を行う
とはいえ、それでは解決しないこともあります。その場合、本当に音が出ているかの事実確認が必要です。実際に騒音が出ているのか、騒音が感じられる環境にあるのかを確認していきます。
ただし、騒音問題は夜間に起こっていることも多いため、実際に現場に行って確認することが難しい場合もあり、入居者さんに協力してもらうことも重要です。
例えば、騒音を感じている入居者さんに騒音を録音してもらったり、電話口で音を聞かせてもらったりするなど、音の確認は現場に行かなくてもできることはあります。
本当に音が聞こえているのか、騒音と呼べるような大きさなのか、事実確認をすることで客観的に判断、説明をすることができるようになります。
騒音トラブル対応のポイント3|履歴を残す
しかし、それでも解決しないことが稀にあります。その場合、根気強く対応を続けていくしかありません。
このときに大事なのが履歴を残していくことです。騒音が発生している履歴を残し、客観的な事実を騒音元の方に自覚してもらいます。
弊社の場合、注意しても問題が解決しないときには、入居者さんとしっかりとした協力関係を築きます。そして、騒音を感じたら警察を呼んでもらうようにしています。
警察は基本的に民事不介入ですが、騒音問題を当事者で解決しようとして刑事事件に発展するケースもあるため、電話をすれば来てくれます。他にも、子供の泣き声が続くようであれば児童相談所へ連絡してもらうなど、外部機関に対応した履歴が残るように入居者さんと協力しながら解決へと進めていきましょう。
弊社の管理物件で起こった騒音トラブルの解決事例
倉川
実際に弊社が管理している物件で起こった騒音トラブルの解決事例を紹介します。
それは高齢者の方が多く住まれている物件で起こりました。ある日、入居者さん(Aさんとします)から「うるせー!殺すぞ!」と大声で叫びながらドアを叩いてくる人(Bさんとします)がいると連絡がありました。
「攻撃的な言動と行動があるため、早急に対応しなければ。」
そう思い、最悪のケースを想定して、弁護士の先生にも連絡を取りながら対応を開始しました。
まずBさんに本当にこのようなことをしたのかを聞き、確認が取れたため、なぜこのようなことをしたのか理由を聞きました。すると、「隣の部屋から殺すと言われる」との回答が。
しかし、Aさんにお話を聞いてもそんなことはしていないとのこと。実際、そんなことをしていれば騒音の連絡もしてこないでしょう。
そこで、もし隣の部屋から何か言われたら聞こえるのか、トラブルが起こっている部屋に行って確かめることにしました。音の感じ方は人によって違うため、弊社の社員と2人で訪問。そして、隣の部屋から大声で叫ぶことに。
するとどうでしょう。隣から殺すと言われるからドアを叩いたと言っていたBさんには何も聞こえませんでした。何度も試してみましたが聞こえないと。
それもそのはず、Bさんは普通に話していても聞き返されるくらい、少し耳が遠い方でした。ただ、少し精神的な問題を抱えていたため、そのように言われていると錯覚してしまったのが原因だったようです。
隣からの声が聞こえないことが確認できたBさんは、自分の勘違いだったことを認めAさんに謝罪。その後はトラブルになることもなく、退去されて部屋が空室になることもありませんでした。
騒音トラブルを機に管理会社との関係で見直しておきたいこと
管理会社がしっかりと対応してくれないとお困りの大家さんは、ここまでご紹介したような対応を管理会社に依頼してみてください。騒音トラブルが長引けば他の入居者さんの退去にもつながり危険です。
そして、これを機に意識してみて欲しいことがあります。それは管理会社とのやりとりです。
実は、管理会社はトラブルのすべてを大家さんに連絡しているとは限りません。むしろ、連絡しないことがよくあります。そのため、大家さんから積極的に管理会社に報告を求めた方がいいことをお伝えしておきます。
それは以下の3つです。
- トラブルの有無
- 家賃滞納者の有無
- 工事の進捗
トラブルが発生していないか必ず報告をしてもらう
今回発覚したトラブルは氷山の一角かもしれません。
そのため、毎月、入居者のトラブルが発生していないかを報告してもらうようにしてみてください。報告を求められていれば管理会社としても報告しなければいけなくなります。
家賃の滞納がないか
また、家賃の入金状況についても毎月チェックをお願いするのがおすすめです。
家賃保証会社と契約している場合、勝手に家賃が振り込まれてくるので安心と思われるかもしれません。しかし、中には3ヶ月ほど滞納があってから家賃の督促に動く保証会社もあります。
3ヶ月も家賃滞納があるようなケースでは、その後の対応が難しくなります。トラブルを大きくしないためにも、滞納があった場合には保証会社が毎月督促しているのか、していない場合は管理会社で入金状況をチェックしてもらえないか相談してみてください。
また、家賃滞納をしている入居者さんは、最悪の場合、お部屋でお亡くなりになっているケースも考えられます。弊社では、お部屋で体調を崩されていた入居者さんを救助できた事例もあります。
自動引き落としは便利ですが、あえて手動で毎月振り込んでもらうことで安否確認の機能を果たしてくれます。高齢の方が住まわれている物件では、家賃を振り込みにしてもらうのもおすすめです。
工事・クレーム対応の進捗
そして、工事の進捗報告もしてもらってください。原状回復工事などもそうですが、特に問題になるのが入居者さんからクレームが発生した設備不良などです。
騒音トラブルと同様に長引けば退去につながります。工事が必要なクレームが入った場合は、随時、状況を報告してもらうようにしましょう。
弊社の場合、毎月の月次報告書で状況を記載するとともに、大家さんへは都度メールで連絡をして履歴を残すようにしています。
一番大切なのは入居者さんとの信頼関係|弊社では入居者さんとの関係づくりを日々行っています
ここまで騒音トラブルの対応で大切なことを3つお伝えしました。実は一番大切なことは他にあります。それは入居者さんとの信頼関係です。
普段からの信頼関係があるからこそ、騒音トラブルの発生元となっている入居者さんに連絡をして、素直に聞き入れてもらうことができます。騒音を感じている方についても、信頼関係があるからこそ、なかなか解決しないときにも協力して解決へと進めていくことができます。
騒音に限らず、トラブルの対応で一番大切なことは日々の信頼関係作りです。
弊社の場合、入居時はもちろん、契約更新をするときにも直接お会いして契約をするようにしています。また、気軽に連絡をしてもらえるように、メールやLINE、Facebookメッセンジャーなどで連絡が取れるようにもしています。
そのため、トラブルが大きくなる前に解決でき、長期入居にもつながっています。
ぜひ、入居者さんとの信頼関係が作れているかどうかも見直してみてはいかがでしょうか。
物件管理のことでご相談があれば、以下のメールまたは電話でお問い合わせください。
「管理会社が何もしてくれない」「空室で困っている」などの困りごとがあれば、当社までお気軽にご連絡ください。担当者から追ってご連絡させていただきます。
LivingTokyo株式会社
お電話やメールからもお問い合わせいただけます。
・電話:03-4570-2323
・メールアドレス:staff@living-tokyo.co.jp
こんにちは!大家さんの悩みを解決する管理会社、LivingTokyoの澤田おさむです。