大家が偉いは平成で終わり!新しい時代の賃貸経営とは

こんにちは、LivingTokyoの伊藤愛です。

2019年5月1日から新しい元号となった日本。

今回はそんな新たな時代にふさわしく、今後の賃貸経営についてお話していきます。

「今後の不動産業界は衰退産業?」
「人口は減っているけど、世帯数は増える?」

などなど、日本の現状を踏まえつつ、不動産管理会社の立場から、これからの賃貸経営のあり方についてお伝えしていきます。

 

■不動産は衰退産業?知っておきたい不動産業界の現状

まずは日本の現状を踏まえつつ、不動産業界の現状について、おさらいしていきましょう。

 

減少する人口、増加する世帯数

日本の人口は、2001年の1,27億人をピークに多少の増減がありつつも、2016年には1,26億人と減少に転じています。

そして現在においても総人口は減少傾向

このままいくと2050年に日本の人口は総人口1億人を切る勢いです。

 

またその人口の内訳は、0~64歳においては前年同月に比べ減少し、65歳以上人口は前年同月に比べ増加しています。

つまり巷でよく言われる、高齢化社会です。

 

ただしここで安易に

「人口が減っている。つまり世帯数も減っているんだな!」

と考えるのは時期尚早です。

 

実は世帯数自体は、2015年ぐらいまで漸増傾向にありました。

原因は、世帯規模の縮小(世帯の分散化)です。

単身世帯、夫婦のみ(ディンクス)世帯、一人っ子世帯が増加し、反対に子だくさん世帯、三世代同居の大きな家族を構成する世帯が減少したのです。

つまり平均世帯数が減少し、それによって世帯数が増加しているわけです。

倉川

そのため、現在の不動産市場(住宅)では、ワンルーム・1DK~2LDKの物件(30~60㎡程度)の人気が高まっています。

それでもこのまま人口が減っていけば、分散化していた世帯数も2025年ごろのピークに、今後減少することになるでしょう。

 

増え続ける賃貸マンション

今後人口が減り、世帯数自体も減少傾向にあるのにも関わらず、賃貸マンションは増えています。

なんと2015年から2016年の間では約4万戸も増加しています。

それは人口の多い東京の話なのか?と思われるかもしませんが、地域別で見ても地方の戸数は増加し続けています

今日本が人口が減り、世帯数も減少するのが分かっているのにも関わらず賃貸住宅が増えているわけなので、供給過剰は明らか

そのため空室率は必然的に高くなっていきます

 

大家が偉いという時代は終わった

人口が減り、今後は世帯数も減っていく、そして空室率も高くなる、と聞くと、

「もうこれからの賃貸軽々はダメだ…。」

と思われるかもしれません。

ですがそれは違います。

空室率が高いからといって、それがそのままあなたの物件に当てはまるかと言えば、そうではないからです。

 

そうなりたくないと思うのであれば、大家が偉いという考えは捨て、供給過剰な賃貸住宅の中から、

「あなたの物件に住みたい!」

と思ってもらえるような住宅を作けばいいだけです。

それはそんなに難しい話ではありません。

 

■新しい時代の賃貸管理とは

では実際にどんなことをしていけばいいのか?

ここからはあなたの物件に住みたい!と思ってもらうポイントについてお伝えしていきます。

 

入居者ニーズを知る

まずは入居者のニーズを知りましょう。

今回冒頭で人口の減少、賃貸住宅の増加などのお話をしましたが、そういった大きなニーズではなく、具体的にあなたが持っている物件に住むであろう、入居者のニーズを探るのです。

例えば、

  • 今現在持っているあなたの物件の周辺はどんな人が住む?
  • 職業は?
  • 世帯数は?
  • 求められている部屋数は?
  • 実は外国人が住みたいというニーズが多いのでは?
  • 実は住居ではなく事務所で使うニーズがあるのでは?

などなど、細かくいろんなことを考えていくのです。

また考えるだけでななく、実際にその周辺を歩いてみる、最寄り駅の飲食店でごはんを食べるなどすると、肌感覚でその周辺地域のことを知ることが出来ます。

倉川

実際に当社でも空室が続いている物件や、これから管理を任される物件は最寄りの飲食店でご飯を食べたり、周辺をくまなく歩いたりして、体感するようにしています

これからの時代は、細かく入居者のニーズに応えていく姿勢がとても大事です。

入居者のこだわりに合う物件を作っていくことが大切だからです。

 

入居者との関係性を大切にする

また入居者との関係性を大切にすることも、今後の賃貸経営においてはとても大切なことです。

あなたは入居者さんの声に耳を傾けていますか?

実は今まであなたの物件に住んでいた人の中には、不満があって、でも賃貸だからと退去してしまった、そんな入居者さんがいるかもしれないからです。

それはとてももったいないことです。

たとえそれが応えられない要望だとしても、不満を聞くことで、その物件に求められることを知ることが出来るからです。

倉川

そのため当社では、入居者から退去したいと申し出があった場合、なぜ退去したいのか、その理由を失礼にならないようにお伺いするようにしています。

 

今後の賃貸経営においては、そのように細かい対応がとても大切です。

なぜなら人口が減っていき、個々人に沿った住宅が求められているからです。

 

■まとめ

今後はこのように細かい気遣いが出来る人が、賃貸経営において生き残っていけます。

忙しいから、と色々理由をつけたくなりますが、入居者の声に耳を傾けることは絶対に無駄にはなりません

 

また要望に応えていたら対応しきれない、と不安になるかもしれませんが、その心配はご無用です。

実際に当社は入居者さんと密に連絡を取れる体制を取っていますが、対応しきれないほど、不満や要望をお聞きすることは滅多にないからです。

なので安心して入居者さんの声を聞いてみてください。

そうすればきっと、あなたの物件にふさわしい素敵な入居者さんが来てくれるはずです。

 

※参照元
今回の記事のデータは下記のサイトを参照しました。

・World Bank Group – International Development, Poverty, & Sustainability(世界開発指標):http://www.worldbank.org/
・統計局ホームページ/人口推計(平成30年(2018年)11月確定値,平成31年(2019年)4月概算値) (2019年4月22日公表):https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html
・日本の不動産投資市場 2018 – Nomura Research Institute(野村総合研究所):https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/knowledge/report/cc/industry_trends/japanreport2018_jp.pdf?la=ja-JP&hash=7A9F90BBB52339E83EB4B26E6326EEB04E174DDA